私は原田マハさん大好き!なのですが、今回は2021年1月に出版された本!「ギフト」です。この本はなんと言っても中のイラストが淡くてなんとも美しい。。。
梅雨を感じさせるタッチに懐かしさと儚さを感じます。そのイラストと共に短めの短編集が書かれているので、サラッと読めるのでオススメです!
1分で読める短編集
ギフトは
・この風がやんだら
・雨上がりの花
・夏の灯
・輝く滑走路
・コスモス畑を横切って
・茜空のリング
・小さな花束
・真夜中の太陽
・贈り物を探しに
・十二月のカレンダー
・ポケットの中の陽だまり
・サウスショア・ピクニック
・そのひとひらを
・ドライブ・アンド・キス
・十五分後の春
・窓辺の風景
・聖夜、電車に乗って
・ささやかな光
・花、ひとつぶ
・薬指の蝶々
・ながれぼし
一旦目次を書いてみるのですが、目次を書くごとに好きな場面が目の前に広がり、あーこの話好きだったなぁと思い出します。
最後のながれぼし以外はほとんどが1分ほどで読める短編集!
気軽に読めるし、後を引かないので読書が少し苦手だけど何か読みたいと思っている方やサラッと読みたいという方にはちょうど良い長さな気がします。
この短編集の中で印象的なのは3つ!
・コスモス畑を横切って
→これは綺麗なコスモス畑が目の前に広がる、秋晴れの情景が浮かんでくるような作品。物語の主役は2人の女の子のお話なのですが、2人の関係性が変化していく心情と2人を繋ぐコスモス畑の展開がとっても素敵だなぁと思いました。
・十二月のカレンダー
→部長の優しさと人間味のある言葉にグッとくる!「一年間、愛着を持ったカレンダーの最後のページを『ここまできたか、よくやったな』って眺める。あいつを見ててそう思った」こういう上司が部下から信頼されていくんだなぁと思う一言。
・ささやかな光
→夢に向かう女の子とそれを心配に思う親。突然実家から離れて東京へ行く!という娘に父は後ろ向きです。しかし、やっぱり子は親を思うもの。ラストの展開に涙がポロリ。お父さん、カッコよすぎですよ〜!
ラストの「ながれぼし」が滲みる
最後の「ながれぼし」は少し長めのお話になっています。
付き合っている彼との間に赤ちゃんができたということろから物語はスタートします。
両親が離婚し、母は何も言わずに出て行ったっきり会っていなかったのですが、ひょんなきっかけで母親と再会します。母親は自分を捨てたと思っていたけど、話を聞くうちにそうではなかったということに気付き始めた私なのですが、最後は少し悲しい結末。
私も母親になって思うことは、どんな母親でも我が子を愛しているということ。
ただ、子供にとっては目の前に気ままに見える姿が全てに映るんですね。
危ない!と思って怒ったことを「ママはすぐに怒る!」と思われたり、
愛って目に見えないし、当たり前のことのように受け取っているけど、思い返すとそれってものすごく大きな愛で守られていたんだと思うもんです。
そう思えるのも自分が母親になって、やっと自分が愛されて可愛がられていたんだ、と気付きました。
この物語は妊娠したところから話がスタートします。
そう、母親になって初めて母の愛を知っていく、なんかそんなストーリーにも思えてくるのです。
そう思うと、スタートも終わりも完璧だなぁと感じました。
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