本書はエビデンスに基づいて書かれているため、説得力がある反面、確かに不愉快になることもあります。逃れられない真実を知ることで、落胆もしますが逆にメリットもあるので面白そう!とおもったら本書を読んでみてください♪
遺伝するということ
親から子へと外見や性格が遺伝することは昔から知られていました。背の高い親の子が長身のように、性格も親に似ているというのも自然なことです。
そして、メンヘラな親からはメンヘラな子供が生まれ、太った親からは太った子供が生まれるということなのです。
しかし、私たちの中には暗黙の規範というものがあるのです。スリムな人が美しく、明るい性格の子はいい!という規範があります。そうなると、規範から逸脱している人は遺伝のせいにしてはいけないと考えているのです。なぜならば体型や性格に遺伝の影響があったとしても与えられた環境や本人の努力で乗り越えられることだと考えているからです。
一般的にネガディブであると考えられている性格や体型も同様に遺伝するのです。そのため、太った子に痩せた方がいいよというのは遺伝の影響もあるため痩せにくい体質であったりするためそれは相手を深く傷つけてしまうことになるのです。
また、外見や性格以上に遺伝してはならないと考えているものは「知能」です。
論理的推論能力の遺伝率は68%
一般知能(IQ)の遺伝率は77%
これは、頭の良し悪しは遺伝で説明できることになるのです。どれほど努力しても勉強できない子もいれば何もしなくてもできる子もいます。
しかし、現代の日本の教育現場では遺伝で勉強ができないということは認められません。勉強ができないことは個人の努力によるものだという考えになるため、自分のせいだとなるのです。
例えば日本人と外人のハーフだと目鼻立ちも整っている外見の子供が生まれるのは遺伝という面で納得できますが、そう考えると性格や知能なども全て遺伝すると考える方が自然なのです。
・身長も体重も遺伝する
・知能も遺伝する
・依存症も遺伝する
・精神疾患も遺伝する
・犯罪も遺伝する
と考えるのが自然になるのです。
※精神疾患や犯罪もかなりの確率で遺伝するということがわかっているのです。
遺伝率92%が遺伝する能力とは・・・?
遺伝の中でも92%と最も大きいのは音楽の才能です。
親を見れば子供が音楽家に慣れるかどうかわかるのです。
行動遺伝学 第一人者の安藤寿行氏は「全ての能力は遺伝する。肥満とか指紋とか身長が遺伝するのと同じように知能や性格や能力も遺伝する」と言っています。
努力は遺伝に勝てない・・・
真実を受け入れたらメリットもある
自分がアルコール依存症になりやすいと思えば、アルコールとの付き合い方を見直してみたり、メンタル疾患の予防も先にできたりもするのです。
全ての能力は遺伝であると考えると、事前に対策が打てるのです!
自分は何に向いていて、何ができるのかを見極めることができるのです!
遺伝子は可能性を狭めるものではなく、得意な分野や向いていないぶんやを決めるだけなのです。
本書を通して思うこと
そう言えば、私の父はよく「遺伝やから」というのが口癖だった気がします。遺伝だけではない!と反発し頑張っていた時もあり、また結婚の時も遺伝のことなどを話せれた気がします。
案外、昔から「そうなんだろうな」という考えもあったので本書での話は納得することが多かったです。
以前、精神科病棟に実習に行った際に、親も精神疾患をお持ちの方が非常に多かった印象があります。
そう考えると、私が育った家庭はめちゃくちゃ賢い!という人間もおそらくいなかったのではないかなと思うと、今の自分のポジションは納得!笑
ただ、私の行動力などはどこかからの遺伝なんだろうとヒシヒシと感じるのです。
自分のルーツや遺伝のことを知るということも自己分析の一つだと思いました。
面白かった〜♪
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